静岡県沼津土木事務所発注の工事 ICT希望型(ICTを活用するかは受注者が決められる工事)
河川の浚渫工事および護岸の嵩上げ工事、うちICTは浚渫工事のみ対象

①土質調査
調査会社に依頼し浚渫する土の土質を調査してもらう。
(余談)静岡県の盛土規制法を受けこの時初めて土質調査を行いました。
②草刈り
③ドローンにて起工測量

まだドローンを持っていなかったので他の建設会社さんに撮影して頂きました。
一度撮影したあと障害物によって上空から撮影できなかった箇所を、ドローンに他のカメラを設置して再度撮影してくださったのですが準備から片付け終了までで2時間半程。ドローン監視員含め2名。
人力測量した場合の測量時間推定 3日間×2~3人工
川の中に入っての作業も伴うため危険もある
④ドローン撮影データ(画像データ)をLASデータ(点群データ)へ変換する
⑤3次元設計データを作成する。
⑥役所打合せ
点群データと3次元設計データを重ね合わせることで現在の浚渫土量が出るため、(設計段階と現在とでは土量が異なることがある)
設計金額に合わせて施工範囲を伸ばしたり狭めたり、他にも設計と現場の差違や問題点等あればこの段階で相談することができる。
データをもとに打合せするので、施工範囲が広くなった場合でもその場で計算でき、再測量せず浚渫土量等がわかる。
人力測量では、再測量に2日間×2~3人工かかる。
⑦ICTマシーンの選定

以前道路改良時に杭ナビショベルを選定したが、今回河川工事では施工履歴を取得したかったためGNSSを使用したマシンコントロールを選定しました。
河川では、浚渫工事終了後に大雨が降って再び河川内に土が堆積し、工事のやり直しが求められるケースがありますが、施工履歴を取得すると、施工と同時に完成出来形を取得でき施工したことが瞬時に認められます。そのため、GNSSを使用した機械の位置情報、作業情報をリアルタイムで取得できる方式を選定しました。
施工と同時に完成出来形が取得できるため、現場での完成検査が省略出来ます。
従来の方式では、完成書類の作成のための測量1日×3人工、完成検査に県職員立会いの下30分×3人工を要します。
他にも浚渫時、重機の傍で浚渫深さを調べる手元作業員が必要ですが、ICT施工では、浚渫箇所、深さ等は重機に取付けられたタブレットで表示されるため、手元作業員が不要で安全性の向上と省人化が図られます。
⑧完成形状納品

浚渫のみの工事だった場合は完成形状の納品は施工履歴で賄えたのですが今回浚渫工事の他に護岸の嵩上げ工事もあり、構造物工が含まれる場合は完成形状を納品することが条件としてありました。
完成形状の納品ではタブレット等を使用した点群取得が認められていたので快測スキャンにて嵩上護岸の点群データを取得し、河川の施工履歴とデータを合体させ納品しました。

タブレットで簡易的にでスキャンする方法で既存の護岸を含め点群を取得するには、どのように取得するか、川に入らずして取得したいと考えていた為色々な会社さんにデモしていただきながら試行錯誤して取得しました。
一回の撮影で5mまでしか点群を取得できないことやエッジの部分の点群が取得しにいことから、分割して取得するに至るまで何度も取り直しました。
この部分に関しては省人化とは言えませんでしたが、勉強になりました。
試行錯誤するその時間がとても楽しかったです。
